帆布のバッグすべてに共通していることは、汚れやすい、汚れが厚い布地に染みこんでいく、そして知らないうちに茶色く変色してくる、そして汚れが取りにくいなど、バッグクリーニングの私たちにもやっかいな素材です。
布(帆布)のキャンパスバッグのクリーニング
トリーバーチ(TORY BURCH)は、2004年にNYのダウンタウンで生まれたアメリカンラグジュアリーファッション。またたくまに世界の人気のファッションデザインとなりました。
トリーバーチはそのTの頭文字を上下にあしらわれたたメダリオンが特徴で、このバッグの内側にもロゴのTメダリオンがデザインされています。
バッグクリーニング工房に入ってきたこの帆布の素材で作られた布バッグは、全体的に薄汚れており、片側がひどく茶色く変色しています。何か飲みものをこぼしてそのままにしてあったところが変色してきたものと思われます。
帆布のバッグすべてに共通していることは、汚れやすい、汚れが厚い布地に染みこんでいく、そして知らないうちに茶色く変色してくる、そして汚れが取りにくいなど、バッグクリーニングの私たちにもやっかいな素材です。
これに皮(レザー)がついていたら処理できるバッグクリーニング専門店はほとんどありません。
デアバッグクリーニング工房の仕上げた帆布バッグ
トリーバーチと同じような帆布のルイ・ヴィトンの「アンティグア」は、湿気の多いところで保管していたようで、カビが生えてそれが点々と変色しています。
正面の金属のロゴプレートは、皮の上に金属のビスで貼り付けられており、またあちこちにビスが撃たれていて、へたに処理すると、金属のサビが出てきたり、皮(レザー)から皮の色が移染して来たりするので、大変難しい作業でしたが、クレンジング、カビ取り、サビ取り、漂白などの作業をくり返すことにより、きれいに生まれ変わりました。
バッグクリーニングの処理方法は、まず全体的な汚れをとります。そしてシミや変色のあるところを集中的に処理します。しみ抜き、特殊漂白作業と進み、復元していきます。
バッグの取っ手(ハンドル)は手アカがつくので、特に念入りに水性と油性の洗浄剤を使って汚れを取ります。茶色く変色したところは漂白作業をします。
100%完全に汚れを取るまでにはなかなか行きませんが、お客様の気持ちを考えると、出来るだけ新品に近くまで近づけるのが私たち「バッグクリーニング職人」めざすところです。
バッグのお手入れ
帆布(布)のバッグは普段からのお手入れが大切です。
ホコリをとる、時々ぬれタオルで拭くなどのお手入れです。雨に濡れるとついたホコリがや汚れがシミとなって出てくることがあります。
食べものや飲み物をこぼしたときは、濡れたタオルやハンカチをきつくしぼって拭き取って下さい。特に透明な飲料は跡がつかないので大丈夫と思っていると、やがて変色して黄色や茶色に変色してきます。飲料に含まれている糖分が酸化して来るのです。
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